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TaxLab’s blog

税金&スイーツ記事をメインとするブログです。

マンション投資の法人税務②

不動産税制

◇準拠:平成28年4月1日現在法令等

まず月次決算から見てみましょう。
 
建物投資の費用化で重要なのが減価償却です。減価償却とは、初期の購入費用を毎年少しずつ費用化する会計上の手続きのことです。
 
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)で住宅用の耐用年数は47年です。
経過年数34年の中古で購入したので、耐用年数は次のように計算されます。
 
≪計算式≫(法定年数-経過年数)+経過年数×20%
 
当てはめると、(47-34)+34×20%=19.8→19年(1年未満切捨て)
 
よって耐用年数は19年となります。
 
また法人は、法定償却方法が定率法なので、200%定率法で償却率は0.105となります。
 
<会計処理>
・月次決算(減価償却仕訳)
減価償却費)28,350※(減価償却累計額)28,350
 ※324万円×0.105×1/12=28,350円
 
毎月28,350円の費用を計上することになります。ちなみに、減価償却費は現金支出を伴わない費用になります。
 
次に譲渡した場合をみましょう。
例えば、購入後10年(平成38年に)して売却した場合
 
(前提)
・建物部分の帳簿償却残高90万円(仮定)
・土地の帳簿価額100万円
・売却価額220万円+税
≪内訳:建物部分100万円+税、土地部分120万円≫
・消費税等は10%
・消費税は免税事業者

<会計処理>
・譲渡時(仕訳処理)
(現預金)230万円(投資不動産)190万円 
         (投資不動産売却益)40万円
 
<消費税>
建物部分の100万円は課税売上げ(預かり消費税は10万円)、土地部分の120万円は非課税売上げとなります。
法人が消費税課税事業者であれば、課税売上割合に影響がでますので注意してください。
 
最後に、家賃の収益計上時期に関してですが、通常は10月分家賃なら9月末日までに入金されて前受家賃が発生しますので、特に本決算時ではこちらにも注意してください。

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マンション投資の法人税務①

不動産税制

◇準拠:平成28年4月1日現在法令等

不動産の保有会社で、区分所有マンションを購入した場合の税務処理はどうなるのでしょうか?
 
簡単な計算例を使って説明したいと思います。
 
(会社情報)
・9月末日の年1回決算法人
・消費税免税事業者
 
(物件情報)
・居住用区分所有マンション
・専有面積:20㎡(約6坪)
・築年数:1981年11月
・購入時期:2015年10月(築後34年)
 
(前提条件)
①物件本体価格;400万円(税抜き)+24万円(建物消費税)=424万円
≪本体価格の内訳:建物部分300万円(税抜き)、敷地利用権部分100万円≫
②購入諸費用
・登録免許税(売買:建物部分2%、土地部分1.5%)
・不動産取得税(4%、宅地部分については1/2の上税率3%)
印紙税1,000円(売買金額500万円以下)
③ローンで購入した場合の費用
・借入金利
団体信用生命保険
④収入項目
・家賃収入;月額4万円
≪内訳:住居家賃3.2万円、共益費0.3万円、駐車場0.5万円≫
⑤支出項目
・固定資産税(1.4%)・・・宅地部分は居住用特例あり1/6
都市計画税(0.3%)・・・宅地部分は居住用特例あり1/3
・管理費5,000円
修繕積立金3,000円
・火災保険料(掛け捨て型)年10,000円程度
 
<不動産所有法人での処理例>

(1)不動産購入時
①会計処理
 ・購入時
(投資不動産*)424万円(現預金)424万円
*補助科目で建物部分324万円、敷地権部分100万円と区分しておくとよいです。
※購入諸費用を取得価額に算入して、減価償却していくこともできます。

 ㊟購入諸費用は原則として取得価額に含めますが、費用にもできます。
ここでは費用処理したものと仕訳します。
租税公課)××(現預金)××
(火災保険料)××

・ローンで購入した場合は借入利息や団信保険料が生じます
(現預金)×× (長期借入金)××
(支払利息*)××(現預金)×××
(団信保険料)×
*支払利息は前払いのケース

仮に購入時に修繕積立基金(一時金)の支払があれば、その金額は建物部分の取得価額に含めて減価償却する方法が望ましいと考えます。

(2)賃貸運用時
①会計処理(毎月)
・賃料入金時
(現預金)4万円(家賃収入)3.2+0.3=3.5万円→非課税売上げ
         (駐車場収入)0.5万円→課税売上げ
・管理費等支払時
(管理費)5千円→不課税仕入れ (現預金)8千円
修繕積立金)3千円→不課税仕入れ
・借入金の毎月返済時
(長期借入金)×× (現預金)×××
(支払利息)× 

②会計処理(随時)
・固定資産税・都市計画税は賦課決定日において全4期分をすべて費用計上できます。
租税公課)×× (現預金)××
・損害保険料の支払い時
(火災保険料)× (現預金)×

一見難しく見えますが、毎月の処理はほとんど同じものなので、慣れてくると難なくできるようになります。

次は月次決算と譲渡時の処理、そして、その後の項で運用面を考えたいと思います。

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会社へ不動産貸付等を行う場合の注意点

不動産税制

◇準拠:平成28年4月1日現在法令等

中小企業では、役員の個人所有物件を会社へ事務所として賃貸することがよくあります。

役員が会社から事務所家賃を受け取る場合、家賃が不動産収入となりますので、不動産所得を計算して確定申告をしなければなりません。

この場合の不動産所得は、次のように計算します。

不動産所得=不動産収入-(必要経費×事務所用使用割合㊟)-青色申告特別控除額*

㊟事務所用使用割合は、通常、床面積の比で計算します。
例えば、全4部屋(均等面積と仮定する。)のうち1部屋を事務所として使用していれば、1/4(25%)と計算されます。

青色申告をすると、こうしたケース(小規模貸付)では通常10万円の青色申告特別控除が受けられます。

また、必要経費には次のようなものがあります。
①建物の減価償却
②固定資産税
③火災保険料
④修繕費
⑤マンション管理費
⑥ローン支払利息
※実際の経費としては、計算式のように事務所用部分だけが対象となります。

上記の計算式で、不動産所得が発生しない程度に家賃を設定すれば、役員個人には税負担は発生しないことになります。

一方、法人では経費になりますので、法人側で節税効果が見込めます。

なお、車両などの動産を賃貸した場合には動産の貸付として「雑所得」になり、同じように確定申告することになります。

もちろん法人側では経費にできます。

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